中村天風「君に成功を贈る」を読んで

中村天風(なかむらてんぷう)と言う人をご存知でしょうか？

中村天風は日本の思想家であり、実業家でもあります。
東郷平八郎、稲盛和夫、松下幸之助など名だたる偉人に影響を与えており、日本が生んだ成功哲学の第一人者です。

この本の初めにこのようなことが書かれています。

自分が思い描く人生を実現したい、心豊かな人生に生きたい、とは誰もが願うことでしょう。
ではどうすれば、自分の思い描く夢や願望が叶うのでしょうか。その方法をやさしく解き明かしたのが、中村天風という人です。

『君に成功を贈る』は、そんな中村天風の成功哲学が語られています。

では、本に書かれている言葉を紹介します。

どれも深く考えさせる言葉です。

・他人に好かれる人になりなさい
なにをおいても一番先に必要なことは、「他人に好かれる人間にならなければいけない」ということ。なんでもないことの様だが、これが、人生の一番の根本基礎になる。

・あまり好き嫌いのないようにしてごらん
他人にすかれようとおもったら、何よりも自分があまり好き嫌いのないようにすること。
他人から好かれる人間になれば、おのずと有意義な幸福な人生に生きられる様になる。

・自分自身を自分自身が磨かない限り、自分というものは本当にえらくならない。
境遇や環境が自分をえらくしたり、幸福をもたらしたりするのではなく、切磋琢磨という言葉のとおり、自分自身を自分自身が磨かない限り、自分というものは本当にえらくならない。

 
・いついかなる時といえど、心の尊さと強さと正しさと清らかさをうしなっちゃいけないよ
心をいついかなるときも、積極的にする。
心を積極的にしろとは、生まれたての心にかえること。
それが、尊さ、強さ、正しさ、清らかさを失わないこと。

・寝床では、考えれば考えるほど嬉しくなること、思えばおもうほど楽しくなることだけを考えてごらん
夜の寝ぎわ、きれいな心で考えれば考えるほど嬉しくなること、思えばおもうほど楽しくなることを描いて寝るようにすれば、命が強くなる。

・明日死を迎えるとしても、今日から幸福になって遅くない
心のもち方がいちばん人生に大切である。
心が積極的でないと、どんなに勉強しようと、金を儲けようと、ほんとうのほんとうの幸福というものは来ない。

・出世する人、成功する人は、その心の内容が極めて積極的である
人間の生命のなかにある人間だけに与えられた秀れた力は、心のもち方一つで、その人間の生命をプラスにもマイナスにもする。

・幸福や好運というものは、自分が呼び寄せなければ来やしない
自分がよび寄せるというのは、自分の心が積極的にならないかぎり、よび寄せられない。
幸福や好運は、積極的な心もちの人が好き。

・なんの努力も実行もせずにいて、自分の夢や、希望が実現するなら、人生なにも苦労しやしませんよ
自分の生命は、この世に生きている限り極めて価値高く、すぐれた状態で生かすのが当然である。

・あなた方の思い方や考え方が、現在あるがごときあなた方にしている
ほんとうに理想的な、思いどおりの人生を生きようと思うなら、「ああなりたい」とか「こうなりたいな」とおもうだけでなく、もうそうなった状態を心のなかに情熱の炎でもって、ありありと描くこと。

・たとえ身に病あれど心まで病ませない、運命に非なるものあれど心まで悩ませない。
病になってもいるのは肉体であって、心は病になっていない。
運命だって、心の力が勝てれば、運命は心の支配下になる。

・人生というものは、そこに進歩と向上があってこそ、生きがいを感じ、勉強もし、努力もするんだぜ
心の態度をどんな場合があっても、尊く強く清く正しく、この心の態度を常にきびしく、自分自身が守っていくことが大事。
それを守りぬいた人は優れた人間になれる。このことを忘れて勉強、努力しても、幸せを感じれる人間にはなれない。

・悲しいことや辛いことがあったら、いつにもまして、笑ってごらん。悲しいこと、辛いことのほうから逃げていくから
笑いというものは、心の喜びを表現する人間に与えられている特殊な作用で、笑えば気持ちが晴れ晴れとして、楽しくなる。

・罰当たりな現代人よ、人生の一部が手に入った、入らない、で悩んでいないか
金、家、仕事、名誉、愛など、みんな大切なものだが、命あってのもの。しょせん、命以外は、人生の一部でしかない。

・現在感謝でいくと、そりゃもう、一秒一秒が楽しく生きられる
現在に感謝すれば一秒一秒が楽しく生きられる。今からでも毎日毎日楽しく生きよう。 

最後に
心のあり方・使い方ひとつで、人生をどこまでも生き甲斐のある、豊かな、幸福な、価値高いものにすることができるかを教えてくれます。

この本を読んで心のあり方、使い方を考えてみてはいかがでしょうか。